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収蔵標本解説


 第29号(2000年 12月1日発行)

X線撮影装置「愛宕号」

小祝 聰一郎
札幌医科大学放射線医学講座非常勤講師

 新しい標本館に行ってみたいと思いながら何となく行きそびれていたが、私が以前使った珍品の顕微鏡(千代田可変位相差顕微鏡、恐らく現存しているのはこれ1台?)が展示されたのを機会に久しぶりに標本館を訪れた。その折、森さんから展示してある一番古いX線管について何か書いてほしいということでお引き受けはしたものの、何しろ40年以上も前のことなのでいささか記憶に自信がない。
 私が放射線医学教室に入局した昭和31年頃はまだ医大附属病院の前身の協会病院時代のX線装置が使われていた。中でも目についたのは撮影用の「愛宕号」だった。

 


図1.愛宕号の水冷式X線管球

 

 その頃はX線の装置に愛称がつけられていて、2台の治療装置はそれぞれ「新高号」「博愛号」と呼ばれていた。「愛宕号」は第4種という裸のX線管球を使った装置で、撮影時にはそこに数万ボルトの電圧がかかるという恐ろしいものだった。冷却は管球の外側の筒に水を入れて冷やしていたので撮影を重ねるうちに水がお湯になり、上部の注水口から湯気が出てくるという具合。水が減れば上から水を足すのだが、この時電源を切らないで水を注いだために感電した人がいたと云う話を聞いたことがあるが真偽の程は定かではない。(現在の撮影用X線管は管球のまわりを油でおおい、その油を冷却水で冷やすという二重構造になっているので安全である。)この愛宕号も昭和32、3年頃に役目を終えて引退したが、撤去される直前に私が撮った記念写真?がこれである。後に大きな扉がみえるが、この中に巨大な整流管が並んでいたのを思い出す。

 


図2. 初期の主力であった第4種エックス線装置

 


 

 

 

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