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1)

すでに肘窩で剖出した皮神経や皮静脈を左右に寄せて残しながら、メスで前腕筋膜 を遠位から近位に向けて除去し、筋の輪郭を明らかにする。腱の間を清掃し、遠位から近位に向けて各筋を浮かせて輪郭をより明確にする。深部にある血管・神経を損傷しないように注意する。前腕筋膜は手くびから上方に剥がして、上腕二頭筋に付けて残しておく(Fig.48)。メスで前腕筋膜を剥がす時、肘近くで前腕筋の筋質が若干剥がれるのはやむをえない。

前腕筋膜は腱膜状で強靱である。強靱な上腕二頭筋停止腱膜 が前腕近位内側に巻きついている(Fig.60)。この腱膜によって、上腕二頭筋 回外作用 が得られる。二頭筋の力こぶは回外位でさらに大きくなる。食物を口に運ぶ時に役に立つことを考えてみよ。

Cubital fossa 肘窩 40
Antebrachial fascia 前腕筋膜 48
Biceps tendon (Biceps aponeurosis) 上腕二頭筋停止腱(腱膜) 60
Supination 回外


Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST