デモを参考にして上行結腸・下行結腸 の生理的(2次的)癒着 を用手的に剥離する(同部を癒着筋膜 とも言う)(Fig.334)。 盲腸 が後腹膜に固定されていない移動盲腸 は比較的多い変異である。膵頭十二指腸 後方の生理的癒着を剥がすコッヘル授動術 (腹部外科の基本術式)は、デモをよく見てから慎重にしかし一気に行なう。コッヘル授動術が行なわれたら、反転した十二指腸 の第1-4部を後方から見て確認する(Fig.318)。 以上の作業で、消化管の後方にはゲロータ腎筋膜 が露出する。ゲロータ腎筋膜 は脂肪被膜 を包み、脂肪被膜の中に腎臓 がある(Fig.345)。最後にゲロータと後体壁の間のシヒト(剥離面)にも手を入れて、筋膜に包まれた腎・尿管 等を一塊 en mass,en blocとして前方に浮かす。以上の生理的(2次的)癒着 は、いずれも外科手術の際に重要なシヒトになる。ゲロータに包まれた中身を前後からはさみ、フィンガーディセクションによってできる限り下方、小骨盤内まで把握する。中身、例えば尿管をむき出しにしてはいけない。下腹神経 と骨盤神経叢(下-下腹神経叢) を含む層(シヒト)を多くのライヘで示説するので、今後その温存に努める。
肝硬変(慣用語:LC,LZ) 、各部の腫瘍 、大動脈瘤(アノイリスマ)aneurysm など、病変があれば報告する。
Kidney | 腎臓 | 345 | Niere, Ren | |
Renal fascia (Gerota's) | 腎筋膜 | 372 | ||
Ascending/Descending colon | 上/下行結腸 | 340 | ||
Cecum | 盲腸 | 340 | ||
Duodenum | 十二指腸 | 318 | ||
Superior part(portion) | 第1部(上部) | 317 | ||
Descending part(portion) | 第2部(下行部) | 318 | ||
Horizontal part(portion) | 第3部(水平部) | 318 | ||
Ascending part(portion) | 第4部(上行部) | 318 | ||
Ureter | 尿管 | 345 | ||
Hypogastric nerve | 下腹神経 | 456 ![]() ![]() | ||
Pelvic plexus | 骨盤神経叢 | 456 ![]() ![]() | ||
(Inderior hypogastric plexus) | (下-下腹神経叢) | 456,344 |