Stomach - corpus(cat)

胃と腸の腺は非常に厚い粘膜固有層の中に深く陥入し陰窩(crypt)と呼ばれる.従って,腺は粘膜筋板より上にあり,腺の周囲は少量の疎性結合組織で埋められている.

1.Surface epithelium (高円柱上皮で杯細胞は無い)
核上部の粘液は保存されず,H-E 染色で明るく見える.
2.Parietal cell (壁細胞)
一般に腺頚に多い.大きい細胞で,細胞質は好酸性である.II-5-22の標本では灰色に見える.

表層粘液細胞と壁細胞
3.Mucous neck cell (副細胞)
腺頚に多く,核は基底側にあり,球形-扁平である.普通の光顕標本では粘液顆粒は保存されず細胞体は明るく見える.切片が厚いので,この細胞は同定が難しい.陰窩が横断された所の方が捜し易い.
4.Chief cell (主細胞)
腺底に分布する分泌顆粒を含む細胞.II-5-22の切片ではこの顆粒が鉄ヘマトキシリ ンで黒色に染色されている.
5.Basal granulated cell (基底果粒細胞)
腺底部にあると言われているが,その特殊顆粒は H-E 染色では染まらず,識別困難 である.(明調で白くぬけたように見える) この中に EC cell , Argentaffin cell, Argyrophilic cell などがはいる

Tunica muscularis :
筋層は外縦層,中輪層,内斜層が原則であるが,今回の標本では前2者のみが見える.
Plexus myentericus (Auerbach)
中輪層と外縦層の間に見える.神経線維束の断面と神経細胞(大型,核が円形で明るい)が見える.この構造は消化管全般について観察される.




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