病原大腸菌O-157感染について
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市立堺病院
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病原性大腸菌O-157による症状とは
感染後4〜9日の潜伏期で発症します。軽症または無症状で終わる場合もありますが、重症の場合は病原大腸菌O-157により産生されるベロ毒素により水様性下痢・腹痛に引き続く血性下痢がみられる出血性大腸炎をおこし、死にいたることもあります。抵抗力の少ない乳幼児や高齢者は重症化しやすく、さらに家族内での接触や水を介しての二次感染が起こりえますので、以下のことに十分注意してください。
- 水様性下痢や腹痛が続くときは必ず医療機関を受診してください。
腹痛・血便がみられたり血液検査で異常がみられた場合は入院治療が必要です。
- 溶血性尿毒症症候群は発病から2〜14日の間に、下痢に引き続いて発症する場合と下痢症状が軽快した後に起こる場合があります。下痢・腹痛・血便症状が続いている時だけでなく、症状が消失後も2週間は十分な注意を必要としますので、医師の指示に従い尿検査・血液検査を引き続き受けて下さい。
- できれば家族全員の便検査を行って下さい。
また、便培養陽性の人は引き続き便検査を行って下さい。
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日常生活における注意
O-157病原性大腸菌は空気感染ではなく、口を通して感染します。
汚染された食物を摂取することによりおこる場合と、便中に含まれるO-157に汚染された手指や衣服などを介して感染する二次感染の場合があります。
以下のように注意することで感染を防ぐことができます。
- 手洗いを徹底しましょう
- 調理する前、食事をする前、帰宅後、排便後などは石鹸と流水でこまめに洗い、きれいなタオルで拭きましょう。
- 便をしたら?
- 患者さんの便などを処理する場合は、ゴム手袋を使用しましょう。
その後は、石鹸を使い流水で十分に洗って下さい。
- O-157の疑いが濃ければ、薬用石鹸や逆性石鹸・70%アルコールなどを使い十分な手洗いを行って下さい。
- 便座カバーは使用せず、便座および便器は毎日トイレ用洗剤で清潔を保って下さい。
- 衣類の洗濯は?
- 患者さんの衣類は、その他の洗濯物と分けて洗いましょう。
- 熱いお湯や家庭用の漂白剤の使用で消毒効果が得られます。
- その後は、乾燥機を使用するか天日で十分乾燥させましょう。
- お風呂は?
- 患者さんがお風呂を使用する場合、発病後1カ月間は乳尿児とは一緒に入らず、最後に入浴させて下さい。浴槽のふちにまたがったり、座ったりせず、シャワーで洗い流して下さい。
- 使用後のお湯は捨てて、浴槽は100倍に薄めた逆性石鹸液で拭くか、熱いお湯を流しましょう。
- 食べ物や食器は?
- O-157は75℃1分の加熱で死滅します。
加熱すべき食品は内部まで十分に火を通して下さい。
- まな板、ふきん、包丁、食器などは十分に洗った後よく乾燥させて下さい。
- 消毒する場合は熱湯を用いたり、食器用の塩素系漂白剤を300〜500倍に薄めて10分以上つけて下さい。
- 旅行やプールは?
- 症状が消失してから2週間位の間は、旅行や水泳は控えましょう。
- プールは適性に管理されて有効な塩素濃度が保たれている場合は、安全であると考えられています。
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