2000.10.2

脳神経

泅k神経olfactory nerve

篩骨篩板から出る。
嗅細胞→(篩骨篩板)→嗅球(僧帽細胞、房飾細胞)→梨状葉

視神経optic nerve

視神経障害 一側全盲
視交叉障害 両鼻側半盲(bitemporal) or 両外側半盲(bilateral)
主としてみられるのは両鼻側半盲(視交叉両外側が障害)
視交叉後障害 障害側と眉間を中心にして点対称の視野が欠損する。
※黄紋回避 後頭葉の障害で中心部の視野は保持されたまま、対側の同名半盲がおこる。
∵黄紋領域の血流は二重支配されているため、後大脳動脈の閉塞などがあっても中心視が保持されやすい。

。動眼神経oculomotor nerve

対光反射
視神経→後交連で左右連絡→E-W核→動眼神経
縮瞳=瞳孔括約筋(動眼神経(副交感神経))
散瞳=瞳孔散大筋(交感神経ミTh1)
直接対光反射 光をあてた側の瞳孔収縮
間接対光反射 反対側の瞳孔収縮
交互対光反応試験
正常では直接反射と間接反射が同じレベルで起こるが、片側性の障害ではそれぞれの反射に左右差が生じる。

【マーカスガン瞳孔】Marcus Gunn* pupil
瞳孔の異常で,対光反応が光を入れ続けているにもかかわらず,縮瞳が途中で終り,また散瞳してくる現象のこと.視神経障害や網膜の障害による瞳孔反応の求心路の異常で起こる.それをはっきりみるのにスウィングフラッシュライトテストがある.つまり,ペンライトの光を1秒くらいの間隔で左右交互にあてると,健眼は常に縮・散瞳を繰り返すが,求心路の異常がある患眼は徐々に散瞳していく.視神経疾患の診断に重要である
∵健側の散瞳信号が患側の縮瞳入力を上回るため。
Horner症候群
片側の眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹、無発汗
※眼瞼下垂はマイナーな上眼瞼挙筋障害によりおこる。
交感神経障害が原因であり、交感神経は上部胸髄(Th1)まで下降してから上行してくるので、あらゆる部位(視床下部、脳幹、頚髄、胸髄上部)での障害によって症状が起こりうる。
Argyll Robertson瞳孔
対光反射(−) 近見反射(+)
平常レベルでの瞳孔が小さい。
梅毒以外に、糖尿病、アルコール中毒、MSなどが原因となる。
Adie症候群(瞳孔緊張症)
瞳孔の反応の異常の一種で,散瞳していて対光反応はないか,あっても微弱である.近見反応の縮瞳は非常に遅延するが,最終的には正常か,それ以上になる.散瞳もまたゆっくり起こる.交感神経の節後線維の異常で起こる.膝蓋腱反射やアキレス腱反射の深部反射の消失を伴うものは1931年に報告され,Adie症候群とよばれる.多くは片眼性の先天異常で若い女性に多いが良性停止性である.抗ChE剤に反応し,特にメコリル(2.5%)点眼により縮瞳する.またピロカルピン(0.125%)点眼にも反応して縮瞳する
動眼神経障害
原因
動脈瘤による圧迫
外側が先に障害→瞳孔異常(副交感神経)
糖尿病
栄養血管の障害→内側が先に障害→外眼筋障害but瞳孔は保たれる
※動眼神経では内側に外眼筋支配線維、外側に瞳孔支配線維(副交感)が走る。
テント切痕ヘルニア
上眼窩裂症候群
上眼窩裂付近の障害→腫瘍転移
海面静脈洞付近の炎症性肉芽腫形成による神経圧迫(Tolsa-Hunt症候群)
中脳
Weber(中脳腹側)症候群 核下性障害(同側)
Bnenedikt(赤核)症候群 核下性障害(同側)
Parinaud症候群 松果体腫瘍などによる圧迫性障害(核下性障害(同側))
※代償性頭位はない(∵複視不可能)
※(Miller) Fisher syndrome
全ての外眼筋麻痺
∵キャンピロバクター感染後の自己抗体(抗GQ1b抗体)産生→ランビエ絞輪のヘリに沈着

「滑車神経trochlear nerve

上斜筋(内側下方)の障害→上外方へ偏位
代償性頭位→健側へ頭を傾ける

」三叉神経trigeminal nerve

V1眼神経 V2上顎神経 V3下顎神経
三叉神経脊髄路核(顔面の温・痛覚)
鼻を頂点とする層状構造の支配領域
橋から頚髄まで核があり、上部は顔面中央部からの入力、下部は辺縁部からの入力を受ける。
タマネギ様の感覚解離
頚髄の障害が進行すると、下部から障害が進行し、顔面の温痛覚の辺縁側から温痛覚が消失し、その部位が同心円上なのでタマネギ様と言われる。
触圧覚は、橋上部にある主感覚核が伝えるので障害されない(感覚解離)
末梢が障害された場合は、V1V2V3の支配領域に応じた感覚障害が生じる。支配領域の分布は額から鼻、耳の上から頬・上唇、耳から顎・下唇
下顎神経は運動成分を持っている。
側頭筋、咀嚼筋(麻痺で開口時下顎が麻痺側に偏位)、翼突筋、鼓膜張筋
※numb chin syndrome オトガイ神経のみの麻痺

、外転神経abducens nerve

経路が長いので、腫瘍、くも膜下出血、ヘルニアなどの頭蓋内圧が上昇するとすぐに障害されてしまう。
代償性頭位→麻痺側に首を回す

・顔面神経facial nerve

顔面筋麻痺
額のしわ寄せ
中枢性麻痺では出来るが末梢性では出来ない
眼輪筋麻痺
閉眼不能になり、充血(兎眼)
鼻唇溝・口角
麻痺側の鼻唇溝が浅くなり、口角が下がる。
あぶみ骨筋麻痺
聴覚過敏(∵鼓膜の緊張が緩み動きが過剰に)
※内耳道付近の障害では聴覚↓downもありうる。
舌前2/3の味覚
後ろ1/3は舌咽神経
涙腺、顎下腺、舌下線
副交感成分障害による分泌↓down

※病態生理p.96の障害部位と症状の関係要チェック!!

片側性麻痺

ベル麻痺
原因不明の特発性顔面神経麻痺。顔面神経が顔面神経管内で、腫脹、絞扼される。
橋下部腹側症候群(Millard-Gubler syndrome)
同側の外転、顔面神経麻痺。交叉前の錐体路を障害し、首以下の対側片麻痺
両側性麻痺
ギラン‐バレー症候群、サルコイドーシスなど

ヲ内耳神経vestibulocochlear nerve

聴神経鞘腫acoustic neurinoma
前庭神経のシュワン細胞から発生することが多く、耳鳴り、難聴、眼振や顔面神経障害症状(角膜反射低下、兎眼、口角下垂)が見られる。
角膜反射消失が第一症状(∵三叉神経、顔面神経の近傍にある)

ァ舌咽神経glossopharyngeal nerve ィ迷走神経vagus nerve

核共通
運動線維→疑核
自律神経求心路→孤束核
耳下腺を支配する自律神経は下唾液核
感覚線維→三叉神経主感覚核、脊髄路核

カーテン徴候
軟口蓋が健側へ引かれながら上昇し、後咽頭壁が健側に偏位
舌後1/3の味覚、耳下腺機能
舌咽神経単独機能

ゥ副神経accessory nerve

胸鎖乳突筋、僧帽筋支配

ェ舌下神経hypoglossal nerve

核下性麻痺では、麻痺側に舌偏位
※神経鞘腫はふつう、感覚神経に生じるが、舌下神経は例外的に運動神経だが生じる。