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4)

腋窩後部の動脈は、とりあえず肩甲下動脈 と総称できる(Fig.23)。肩甲下動脈はきわめて変異に富み、解剖学者の間で肩甲下動脈変異の体系化が試みられてきた。胸背神経をたどると、多くの肩甲下筋枝(肩甲下筋神経) が見つかる(Fig.32)。

最後に残る太い神経は腋窩神経 であるが、次節の上腕伸側で腋窩隙の解剖が進んでからでよい。以上の過程で、頚部から腋窩 を経て上肢に至る導通路が見えてきただろうか。

前鋸筋 の支配神経である長胸神経 は温存されているかくり返し確認せよ(Fig.29)。第12肋骨からも前鋸筋がはずれているか。前鋸筋が体幹からはずれていれば(あるいは肩甲骨からはずれていれば)、上肢の屈側伸側を反転して胸部に乗せることができる。これで腕神経叢 を後方から剖出できることを確認する。

Long thoracic nerve 長胸神経 29
Radial nerve 橈骨神経 51
Profunda(Deep) brachial artery 上腕深動脈 51
Thoracodorsal artery/nerve 胸背動脈/神経 29
Subscapular artery 肩甲下動脈 23
Subscapular nerves 肩甲下筋神経 32
Axillary nerve 腋窩神経 32
Serratus anterior muscle 前鋸筋 29


Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST