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胸膜腔  (Fig.164-166)

胸壁 で囲まれた胸腔 =肺を含む胸膜腔 縦隔。縦隔 の中には、心膜で囲まれた心膜腔 が含まれている。胸膜 や心膜 ・腹膜には、決して孔はない。連続した1枚の膜である。ビニール袋(胸膜や心膜)の(口ではなくて)腹から突っ込んだ手(肺や心臓)と同じ状況。

壁側胸膜 が破損していれば、その部位から上下方向に浅く大きく割を入れて同胸膜を用手的に剥離する。壁側胸膜が無傷ならば、前面に上下方向に浅く大きく割を入れる。胸膜炎 で激しく癒着している場合はスタッフの指示に従う。いずれにしても、壁側胸膜臓側胸膜 の間に手を入れて胸膜腔の広がりを確認する(Fig.165)。状態が違うから他班の多数のライヘでも確認する。両胸膜は肺根 で連続している。通常、ライヘの肺は最大呼気位にあるので、肋骨横隔洞(Fig.165,228) 肋骨縦隔洞 (Fig.164)は拡大している。胸膜頂 に指を入れ、鎖骨上方(頚部)に達していることを確認する(Fig.182)。肺尖 は頚部に達する。頚部のリンパ節 神経節 に針を刺す時でも、医原性の気胸 を作りうることが分かるだろうか。下方では、に針を刺す機会が多いが、胸膜を破ることなく右から肝臓 に針を差して組織の採取 biopsy   をするには、どの肋間から刺せばいいだろうか(Fig.182)。

Pleural cavity 胸膜腔 169
Parietal/Visceral pleura 壁側/臓側胸膜 169 Pleura parietalis/pulmonalis
Pericardial cavity 心膜腔 170
Root of the lung 肺根 171 Radix pulmonis
*Costodiaphragmatic recess *肋骨横隔洞 164
*Costomediastinal recess *肋骨縦隔洞 164
Cupula of pleura 胸膜頂 164 Cupula pleurae
Apex of the lung 肺尖 164
Liver 肝臓 160


Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST