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眼窩の開放  (Fig.780,787,790)

眼窩  はとても複雑なので図譜などでよく予習せよ。特に外眼筋 の位置関係と神経の走行は必須で、何も分からないままに進むとすっかり破壊してしまい、眼窩の解剖がただの思い出作りになってしまう。

眼の解剖は、まず一側で行ない、さらに復習をしてから残り一側を解剖する。一度に左右とも解剖してはいけない。

頭蓋底を再度よく観察した後に(p.gif)、前頭蓋窩 硬膜 を剥がす。前頭蓋窩を作る前頭骨 篩骨 蝶形骨 の縫合を確認する(Fig.780)。

Orbita 眼窩 787 tex2html_wrap_inline9403
Anterior cranial fossa 前頭蓋窩 779
Dura Mater 硬膜 767
Frontal bone 前頭骨 780
Ethmoid bone 篩骨 780
Sphenoid bone 蝶形骨 780

頭蓋底 から慎重にノミを当てて、眼窩上壁を一部開放する。強靱な眼窩骨膜 が見えたら(Fig.808)、それを破らないように押込み、リューエルで眼窩上壁を割りながら除去し、広く開放する。眼窩上壁に進入した前頭洞 (Fig.837)が眼窩と一緒に開放されることがある。眼窩口上方に前頭骨が残るので、これもリューエルと鋸で除去する。眼窩上神経 滑車上神経 は、眼窩内容側に付けて温存すること。篩骨篩板 を含む眼窩内側壁(Fig.789)も温存する。

Periorbita 眼窩骨膜 808
Frontal sinus 前頭洞 837
Supraorbital nerve 眼窩上神経 791
Supratrochlear nerve 滑車上神経 791
Cribriform plate 篩骨篩板 780Lamina cribrosa

続いて眼窩 の外側壁を開放する。開放された眼窩上壁からピンセットを入れて、眼窩骨膜 に包まれた眼窩内容 を内側上方に寄せる。この際、眼窩外側壁との間に緊張する細い神経が見つかれば、涙腺 に副交感神経 成分を運ぶ涙腺神経-頬骨神経交通枝である(Fig.797)。側頭筋 側頭骨から剥がして下方に反転しながら、眼窩外側壁(Fig.790)をリューエルと鋸で除去する。眼窩内容、特に涙腺 を損傷しないように注意する。涙腺が分からなければ早くスタッフに聞く。

Lacrimal gland 涙腺 797
Communicating branch between
zygomatic and lacrimal nerve 涙腺神経-頬骨神経の交通枝 797
Temporalis muscle 側頭筋 733
Temporal bone 側頭骨 790


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Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST