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[db-082] 1P051 : 日本古人骨の下顎大臼歯の根幹長



##Begin
#Z 1P051
#A 日本古人骨の下顎大臼歯の根幹長
#B Root lengths of lower permanent molars in ancient Japanese peoples
#E1 竹中/正巳
#F1 たけなか/まさみ
#G1 Takenaka/Masami
#J1 鹿児島大学歯学部口腔解剖学第二講座
#K1 カゴシマダイガクシガクブコウクウカイボウガクダイニコウザ
#L1 Department of Oral Anatomy, Dental School, Kagoshima University
#E2 峰/和治
#F2 ミネ/カズハル
#G2 Mine/Kazuharu
#J2 鹿児島大学歯学部口腔解剖学第二講座
#K2 カゴシマダイガクシガクブコウクウカイボウガクダイニコウザ
#L2 Department of Oral Anatomy, Dental School, Kagoshima University
#E3 小片/丘彦
#F3 おがた/たかひこ
#G3 Ogata/Takahiko
#J3 鹿児島大学歯学部口腔解剖学第二講座
#K3 カゴシマダイガクシガクブコウクウカイボウガクダイニコウザ
#L3 Department of Oral Anatomy, Dental School, Kagoshima University
#D 日本古人骨の下顎大臼歯の根幹長
 竹中正巳,峰 和治,小片丘彦(鹿児島大学歯学部口腔解剖学第二講座)
 下顎大臼歯の歯根形態を調査する一環として,縄文から現代にいたる日本列島諸集団の下顎大臼歯における頬側面と舌側面の根幹長を計測した。男女いずれも舌側面根幹長の方が,頬側面に比べ,大きな値を示し,かなりの集団で有意差を示す。各時代とも男性の頬%舌側面根幹長の方が,女性の各根幹長より大きな値を示す傾向が認められるが,有意差を示したのは,縄文人と渡来系弥生人だけである。下顎第一大臼歯の両根幹長は,男女とも縄文人,種子島弥生人,北海道アイヌの各集団で大きな値を示す。それに対し,渡来系弥生人,古墳人,中世人,現代日本人の各集団では,現代日本人女性の舌側面根幹長を除き,小さな値を示す。下顎第二大臼歯では,第一大臼歯でみられたような集団関係は,確認できなかった。ただ,男性の第二大臼歯の両根幹長には,縄文人,種子島弥生人,北海道アイヌの各集団で大きく,渡来系弥生人,古墳人で小さいという第一大臼歯に類似するような関係が弱いながら認められる。
 現代日本人の成立には,縄文人を基盤に弥生時代以降,北東アジアからの渡来人による遺伝的影響が大きく関係していると考えられている。種子島弥生人,北海道アイヌは,数々の歯冠形態,歯根形態からも縄文人的特徴を色濃く残す集団と考えられており,渡来人による影響を受けた渡来系弥生人,古墳人,中世人,現代日本人とは異なる。縄文系集団と渡来系集団とを区別できる下顎第一大臼歯の根幹長は,日本人の成立を考える上で,有用な形質のひとつであるといえる。 縄文系集団の下顎第一大臼歯の根幹長が大きな値を示すということは,渡来系集団に比べ,歯随腔が大きく,台状根(Taurodont)的であることを意味している。
#M 根幹長,下顎第一大臼歯,下顎第二大臼歯,歯の人類学
#N root trunk length, lower first permanent molar, lower second permanent molar, dental anthropology
#Last_modified 97.03.31-18:44
#Return_path takenaka@dentc.hal.kagoshima-u.ac.jp
#Sequence_number   82
##End

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