MHonArc test archive

[Prev][Next][Index][Thread]

[db-099] 2C01 : 腓腹神経と外側足底神経の交通



##Begin
#Z 2C01
#A 腓腹神経と外側足底神経の交通
#B Anastomosis between the sural and lateral plantar nerves.
#E1 関谷/伸一
#F1 せきや/しんいち
#G1 Sekiya/Shin-ichi
#J1 新潟県立看護短期大学
#K1 にいがたけんりつかんごたんきだいがく
#L1 Niigata College of Nursing
#D ヒトの腓腹神経は、知覚神経と自律神経線維のみを含む神経として知られている。しかし、ALSなどのmotor neuron diseases において、腓腹神経に変性軸索が現れる例が知られている。従って、このような疾患においても知覚線維が変性するのか、あるいは腓腹神経に運動線維が含まれるか、のいずれかが考えられる。一方、ラットでは腓腹神経に運動線維が含まれ、外側足底神経と交通することにより、第五趾外転筋などを支配することが知られている。
そこで類人猿とニホンザルにおいて、このような交通について調べた。ゴリラとニホンザルでは、アキレス腱の前を通る交通枝によって、腓腹神経と外側足底神経が交通していた。しかし、チンパンジー・オランウータン・テナガザルでは、このような交通は見られなかった。ニホンザルの外側足底神経、特にその深枝の線維解析を行った結果、腓腹神経由来の神経線維は第五趾外転筋・短第五趾屈筋・趾対抗筋・母趾内転筋・骨間筋・虫様筋に達していた。また、足底の皮枝・第八、九、十趾縁に分布する固有底側趾神経および関節枝にも腓腹神経由来の神経線維が含まれていた。これらの筋枝と皮枝には、同時に脛骨神経由来の神経線維が含まれていた。しかし、足底方形筋の筋枝は、腓腹神経由来の神経線維を含まず、脛骨神経由来の神経線維のみから構成されていた。
ニホンザルの腓腹神経は、足背における分布、および交通枝を通しての足底における分布ともに、上肢における尺骨神経によく似た様式を示した。ヒトの腓腹神経についても、運動線維が含まれるという報告もあり(Liguori & Trojaborg,'90; Ragno & Santoro,'95)、このような観点から見直す必要があると思われた。
#M 腓腹神経、外側足底神経、類人猿、ニホンザル、線維解析、尺骨神経
#N sural nerve, lateral plantar nerve, anthropoid ape, Japanese monkey,fiber analysis, ulnar nerve
#Last_modified 97.04.04-19:58
#Return_path sekiya@jorne.or.jp
#Sequence_number   99
##End

JAA Home Page | Main Index | Thread Index