札幌医科大学医学部

分子医学研究部門
  近況と話題  

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近況:  2001年2月8日 ** あなたの肝臓の重さは? **

昨日の朝のグループミーティングで、大学院生の研究プログレスレポートに関して、私もホワイトボードの前で少し解説。その時、ヒトとマウスの肝臓の重量が問題になった。大学院生に聞いても答えてくれない。間違った答えで恥をかいて反省して、それからしっかり勉強して自分を鍛える、ちゅうのが学生の生きる道ではないのか、なんだ。うちのでっかい大学院生の肝臓は何キロだろう? 「でっかい君のデカ肝臓はだいたい2キログラムだ、20グラムのマウスの肝臓が1から1.5グラムだから、肝臓はマウスの千倍から2千倍の重量だ。成人の体重はマウスの3000倍程度。だから、ベクターの投与もマウスはヒトのだいたい1000分の1を目安に考えて実験を計画するとよい。」 というような議論を進めた。最後のところは自信がない。マウスとヒトとでは様々条件が異なるので、遺伝子導入の個々の問題に関しては個別に実験しないと予想がつかない。大きくはずれるということもありえる。が、まず最初の実験はこんなふうに考えてプランを組むとよいだろう。はずれたら、次の実験ではずれないレンジをとるとよい。

ところで、昨日はそのあとずっと気になった....彼氏の肝臓はいったい何キロなのだろうか。自分で答えてしまった2キロという数字は、はずれていないか。大はずれなら本当に恥ずかしい。寝ていても気にかかる。

1日たってもやっぱり気にかかる。今朝になって、Grayの解剖学書を調べてみると、「男性は1.4から1.8キログラム、女性は1.2から1.4キロ、総じて1.0から2.5キログラムの間にある」と書かれている。藤田の標準組織学によると、「成人では1-1.5キログラムにおよび」となっている。だから、昨日の2キロ発言は、やや大きすぎたかもしれない。次回からは1.5キロということにしよう。

大学を卒業して3年ぐらいの間、ずいぶん多くのゼク(病理解剖)に立ち会った。特に茨城県立中央病院の須田先生にはいっぱいしかられ、いっぱい大切なことを教わった。あれからすでに20年、多くのことを忘れてしまった。久々に大学に戻ることになり、今は、学生の教育も私のメインの仕事。ところが、今もいよいよ、間違ったり失敗して学ばなければならないことばかりだ。

2001年2月8日   濱田洋文


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