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鎖骨の切断  (Fig.702,703)

鎖骨下筋 を確認する(Fig.707)。この筋の支配神経(鎖骨下筋神経 )は非常に細いが、これまで丁寧に解剖をしていれば残っている。筋の上縁と肩甲舌骨筋 の間を剖出すると、横隔神経 の根に近接して始まる神経が見つかる(Fig.703)。鎖骨下筋は、鎖骨 から剥がして神経と肋骨付着だけでつなげて遊離させる(鎖骨切断中に完全にはずれてしまったらやむをえないが)。

周囲の構造を傷つけないように、鎖骨 の表面ギリギリにメスを入れて鎖骨内側2/3を露出させる。ノミで鎖骨の骨膜 を剥がす方法もある。鎖骨をえぐり取るように鎖骨後方にぐるりと指が入ることを確認してから、露出した鎖骨に鋸を入れ、ノミの助けも借りて中1/3ないし内側2/3を除去する。鎖骨後方まで鋸が入らないように注意する。内側端の処理には、胸鎖関節 で脱臼 させる方法もある。はずした鎖骨は、解剖台の角のすぐ分かる所に置く。この機会にノミやリューエルで胸鎖関節を開放して関節円板 を確認する(Fig.148)。鎖骨第1肋骨にも固定されている。

*Subclavius muscle *鎖骨下筋 707
Subclavius nerve 鎖骨下筋神経 703 tex2html_wrap_inline9403
*Omohyoid muscle *肩甲舌骨筋 707
Phrenic nerve 横隔神経 703
Sternoclavicular joint 胸鎖関節 148
Articular disc 関節円板 148



Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST