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腰部  (Fig.631)

 

腸肋筋 最長筋 が強大で外側に張り出しているため(Fig.631)、2筋の間を後枝外側枝 が通るという胸部での原則がくずれている。やせたライヘでは、後枝外側枝を残しながら胸部同様に腸肋筋と最長筋を外側に寄せ、神経を温存しながら最長筋を除去する。解剖の要領は胸部と同じである。ボソボソに筋をほぐすくらいなら、メスでブロック状に浅側から除去していく方がましだろう。2筋がある程度除去されると、筋膜に包まれた多裂筋の全体が同定できる(Fig.632)。腰部の多裂筋 は、実は浅層までせり出している。後枝外側枝 は、横突起 に近接するまで神経を追求しておく。

腰椎横突起には(11、12胸椎も)2つの結節がある(Fig.661)。最長筋の腱が付着していたのが副突起 、多裂筋が付くのが乳頭突起 である。2つの突起の間には骨の溝があり、そこを細い後枝内側枝 が通過して多裂筋に至る。溝は靭帯(腱膜)に隠されている。それを剥がして神経を剖出する。分からなければ、胸部の場合のように外側枝をたどって内側枝を求める。

*Iliocostalis muscles *腸肋筋 631
*Longissimus muscles *最長筋 631
Spinal nerves 脊髄神経
Lat. cutaneous branch of post. ramus 後枝外側枝 626
Med. cutaneous branch of post. ramus 後枝内側枝 626
*Multifidus muscles *多裂筋 632
Transverse process 腰椎横突起 661
*Accessory process *副突起 661
*Mammillary process *乳頭突起 661


Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST