肺区域 を理解するため、上述の通りにピンセットで肺門部から肺実質を崩し、肺内気管支を亜区域気管支 レベルまで剖出・同定する。同定しなければやる意味がない。末梢の細かい気管支の剖出を盲目的に行なう人が多いが、それはよほど時間に余裕のある人に限ること。アンテラ(p.)はきれいに除去する。ある程度、剖出が進んだら、肺根の血管と気管支 の位置関係を保存するために、アロンアルファで固定しておく。特に肺静脈 がはずれやすいので注意する。こうして、肺門部 の血管と気管支の位置関係を温存した生きた模型を作る。
スケッチには前から見た状態で、1枚のケント紙に左右並べて描く(Fig.180,181)。標本はつぶれてくるが、できるだけ立体的に描く。気管支にはB3a,b.の要領で名称を付ける。a,b,cは、一般に上から下、外側から内側、後方から前方の順に付ける。上葉気管支については、実習室前のパターン表から各班の形を考察する。B*(ビーコメ)、B7についてはその有無を慎重に検討する。