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後縦隔  (Fig.234,236,238)

  

すでに心・肺もはずれて、胸腔 を囲んでいた胸壁 が桶のように見える。肋骨胸膜を剥がした後の後胸壁では、肋間神経血管 交感神経幹 を剖出する(Fig.238,239)。交感神経幹から椎体 前面に向けて下行する大小内臓神経 を見つける。これら内臓神経 の神経線維については付図参照(p.gif)。すでに頚部から上端を確認した星状神経節  を、今度は直視下に剖出する(Fig.238)。麻酔科がブロックの練習を行なっていたら、ゴム液の入り具合について所見を記載して欲しい(p.gif)。 星状神経節は第1肋骨頚に密着しており、上下よりむしろ前後方向に長軸がある。星状神経節ブロックは頭頚部及び上肢の血管障害の治療法として頻用される。鎖骨下動脈 の周囲を交感神経幹の分枝が囲んで鎖骨下ワナ を形成する(Fig.237)。近傍では、鎖骨下動脈枝の肋頚動脈 、その枝の深頚動脈 が見つかる(Fig.721)。  

Intercostal nerve/artery/vein 肋間神経/動脈/静脈 233
   Sympathetic trunk 交感神経幹 233
Body of vertebra 椎体 234 tex2html_wrap_inline9403
Greater/*Lesser splanchnic nerve 大/*小内臓神経 233
Stellate ganglion (Cervicothoracic ggl.) 星状神経節(頚胸神経節) 238
Subclavian artery 鎖骨下動脈 237
   Ansa subclavia 鎖骨下ワナ 238
*Costocervical trunk *肋頚動脈 721
*Deep cervical artery *深頚動脈 721

心臓ないし肺のスケッチ課題が一段落したら、気管 ・食道 の前方に残る壁側心膜 を除去して、正面から後縦隔 に進入する。ただし食道前面を一気に剖出する前に、いったん上縦隔にもどって復習する。

食道 には3(4)つの狭窄部がある(Fig.229,230)。 

)食道入口部(輪状軟骨後方)
)大動脈弓(上)
)気管分岐部(下)
,3はごく近接している
)横隔膜の食道裂孔

Esophagus 食道 229
Aortic arch 大動脈弓 229
Bifurcation of trachea 気管分岐部 229
Esophageal hiatus 食道裂孔 229

食道は臨床では次のごとく区分され、例えばIm癌というように用いる。         




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Akiko Oshiro
1998年01月19日 (月) 16時56分03秒 JST