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カウンタ
(Reset at 2002.1.21)
館長ご挨拶

 今、大学博物館が話題となっている。法人化した国立大学を中心として大学が保管・保存してきた様々なアーカイブを一般の方に公開して知への探求心を養っていただくあるいは満たしていただこうと企画されている。明治以降に出来たわが国の大学は西洋に追いつき追い越そうとする国策の中心的な役割を果たしてきた。その基本となった資産あるいは足跡を観ることができる。さて、この札幌医科大学標本館は人体に関する標本を展示し医学・医療教育に役立てていただく趣旨で今から39年前に出来た。わが国の大学博物館の趨りに当たるかも知れない。この標本館の特徴は、ヒトの傷病に関わる標本を約4万4千点あまり展示してあることである。昨今はやりの大学ランキング(2010年度、朝日新聞社)では自然科学系の展示資料数で1位となった。これらの展示標本については、医学・医療系の学生をはじめとして医療に関わる様々な人々が、見学を通して、ご提供いただいた方々の崇高なご遺志を感じ、医学・医療に対する決意を新たにするとともに、自身の医学勉強に役立てている。その数は4千人を超えている。単純にはいかないが、10万人を超える医学・医療人の勉学や医の倫理の向上に役立ってきたのではないだろうか。一般の方への公開を希望する向きもあるが、ご提供いただいた方々の医学・医療への貢献という崇高なご遺志を尊重し、今後も医学・医療を志す若き学徒や医学・医療人の教育と医の倫理の向上に役立てていきたいと考えている。


松本 博志
医学部医学科基礎医学部門講座
法医学講座教授

 

 

 

 

 

 

 

 

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