館長ご挨拶 〜『能動的であれ!失敗を恐れるな!』〜
標本館にようこそ!見学に訪れた若い人たちに贈る言葉です。私は見学に来られた若い人に、短い時間であっても、なんとか医学の素晴らしさを知って欲しい、命の尊さを分かって欲しい、勉強のモティベーションを上げて欲しいと一生懸命に対応しています。
未来の医学・医療の担い手である君たちに、ひとつ注文があります。それは、分からない事、不思議だと思う事を恥ずかしがらずにどんどん質問する習慣を身につけて欲しいという事です。標本館を一巡して、質問を受け付けても無言のことがとても多いのです。
私は医学研究者として、治らない病気を研究し、分からない事をとことん追求する毎日を送っているので、千載一遇のチャンスに、疑問に感じた事をストレートに表現しない若い人に驚くばかりです。質問をする事で、効率よく知識を増やせるだけでなく、質問者と回答者の相互作用で予想もしない新しい事に気づく事もあります。勇気を出して発言する事で得られることは計り知れないほど大きく、逆に、黙っている事で失うことは限りなく大きいのです。
日本の未来を支えグローバルに活躍する君たちには、是非、積極的・能動的な人間になって欲しいのです。一番幸せな生き方とは、自分の能力を最大限に発揮し、自分にしか出来ない事で社会のために貢献する事。じっと待っていたのでは、何も始まりません。すべて自分の力で勝ち取って行くしか方法はないのです。おとなしく、決まった事だけを覚えて試験に通ればそれでよしという生き方は、激動する世の中に何も付け加えられない無責任な生き方と言えます。
失敗を恐れず、積極的に問いかけ、行動する人間になって下さい。失敗を経験することで、次はどうすれば良いかを必死で考えるのです。失敗を恐れて消極的になることは、多くのことを学ぶチャンスを逃してしまうことになります。
疑問に思う心を大切に。答えを求め抜く能動的な姿勢は、必ずあなたの成長につながります。
「勇気を出して、一歩前へ!」

藤宮 峯子
医学部医学科基礎医学部門講座
解剖学第二講座教授
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