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カウンタ
(Reset at 2002.1.21)
館長ご挨拶

 札幌医大標本館にようこそ!今日は皆様方を「いのちの凄さと素晴らしさ」を感じていただくツアーにご案内いたします。まずは、子宮内の胎児の発育をご覧下さい。様々な原因でこの世に生を受けられなかった胎児達です。重度の奇形の胎児もいます。びっくりしないで、しっかりご覧下さい。五体満足でこの世に生を受け、今生きているあなたに「もっと、しっかり生きてね!」と訴えています。
 次は、事故で亡くなった方々の身体の一部で、法医学教室からの寄贈です。法医学者達は亡くなった方の無念の声に耳を傾け、事件の真相を明かすために解剖をするのです。その隣は病理学教室からの寄贈で、様々な病気に犯された臓器標本です。手術で取り出した臓器もありますが、病で亡くなった方を病理解剖して得たものもあります。ここで感じていただきたいのは、病気の臓器は「醜い」ということです。逆に正常であることが如何に「美しい」か、に気づいていただければ嬉しいです。私たちは、ただ「健康である」だけで、充分美しいし、健康な身体がどれほど素晴らしいかを感じてください。健康な身体があるのに、それを大事にしないであれこれ悩んだり自分を卑下したりするのは、病に犯されて亡くなった方に対して申し訳ないと思います。
 最後は、医学の進歩のために注がれた努力と情熱の歴史です。病の苦しみから人間を解放することは、いつの時代も最重要課題でした。それに命をかけて挑んだ先人がいます。オリンパスの胃カメラの開発の歴史、麻酔法の開発、手術法の進歩などです。前人未踏の領域に挑戦し、成し遂げる為には予想をはるかに超える強い決意とたゆまぬ努力が必要です。さて、あなたは何を成し遂げますか?
 これで一巡しましたが、如何でしたか?今日、標本館で過ごされた時間は、あなたの人生できっと意味のあるものだったと思います。  最後に一言、「心こそ大事」です。自分が生きて健康であることに対する感謝の思いがあれば、どんなことでも出来ます。あなたの今日の決意が、明日からの生き方を変え、社会を変えていく力になることを祈念します。お元気で!


藤宮 峯子
医学部医学科基礎医学部門講座
解剖学第二講座教授

 

 

 

 

 


 

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