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時間が足りない時は、第1-2頚椎も含めて頭部を正中線で切半する(p.
)。環軸関節 は切断面で観察する。時間に余裕があれば、第1-2頚椎を順番にはずしながら関節を観察する。その場合も、切断面を観察する班に加わり、軸椎 の動きを見ておくこと。
最初に環椎後頭関節 をはずす(Fig.647-650)。内頭蓋底 から見て、後縦靭帯 に続く強靱な結合組織を大孔周囲からメスで除去する(Fig.649)。斜台 からすべり台を降りるようにメスかノミを進める(Fig.893)。舌下神経管 温存のため、後頭骨を割らないように注意する。軸椎歯突起に付く靭帯も切除し、歯突起 の先端を掘り出す(Fig.650,651)。外側と大孔内から靭帯を切断し、後頭骨から環椎 を剥がす。椎骨動脈 がどうなったか、まず確認しておく(Fig.719)。
| Lateral/Median atlantoaxial joint | 外側/正中環軸関節 | 648 | |
| Axis | 軸椎 | 641 | |
| Atlanto-occipital joint | 環椎後頭関節 | 648 | |
| Posterior longitudinal ligament | 後縦靭帯 | 674 | |
| Foramen magnum | 大孔 | 780 | |
| Clivus | 斜台 | 893 | |
| Hypoglossal canal | 舌下神経管 | 780 | |
| Occipital bone | 後頭骨 | 780 | |
| Dens (Odontoid process) | 軸椎歯突起 | 651 | |
| Atlas | 環椎 | 639 | |
| Vertebral artery | 椎骨動脈 | 719 | |
環椎と軸椎がはずれたら、環軸関節 (Fig.649-653)を回旋させながら、メスで歯突起の先端を露出させていく。この過程で翼状靭帯 が切れる(Fig.650)。環椎十字靭帯 を除去し、正中環軸関節 を開放する(Fig.650,652)。ここでも基本構造をなす後縦靭帯は脊柱管の前面で椎体後面をつなぎ、肥厚して蓋膜 と呼ばれる(Fig.649)。蓋膜の前に接して環椎十字靭帯がある。
| *Alar ligament | *翼状靭帯 | 650 | |
| *Cruciform ligament | *環椎十字靭帯 | 650 | |
| *Tectorial membrane | *蓋膜 | 649 | |
最後にメスを外側から入れて、外側環軸関節に平面的に進入する(Fig.647)。軸椎はノドボトケ と呼ばれて火葬後の骨拾いの際に重要視される。道内では特に重視するので、北大では学生が軸椎を損傷しないように注意している。
もう一度2つの骨を後頭下にはめこんでみて、その前に頚部内臓の何が位置するか確認しておく。口腔の後方にある椎骨は何番か(Fig.890)。
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