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鼻腔・副鼻腔・翼口蓋窩  (Fig.790,826,835)

1)

切半した頭部を内側から再度観察する(p.gif)。鼻中隔は鼻中隔 を構成する骨(軟骨)を確認してからリューエルで除去する(Fig.829)。鼻甲介 鼻道 を確認する(Fig.827)。

Pterygopalatine fossa 翼口蓋窩 790
Nasal septum 鼻中隔 829
Upper/Middle/Lower nasal concha 上/中/下鼻甲介 832
Upper/Middle/Lower nasal meatus 上/中/下鼻道 827

2)

顔面から上顎洞 を開放する。頬骨弓が残っていれば、それをリューエルか鋸で除去するつもりで上顎骨外側部 を削り落とす(Fig.788,790)。わずかでも上顎洞が開いたら、あとは指が入る程度に孔を拡大する。この作業で、眼窩下神経枝の後上歯槽神経 が切れるかも知れない。光に透かして、上顎洞の内側壁の厚さを確認し、開口部を探す。外側から慎重にゾンデを通す。ゾンデが中鼻道に出てくるだろうか(Fig.826,832)。鈎状突起 中鼻甲介に隠れて見にくいが、上顎洞自然口を確認せよ(Fig.828)。必要に応じて中鼻甲介と下鼻甲介をリューエルで除去し前頭洞蝶形骨洞の開口を同様に確認する(Fig.685)。

上顎洞視神経の近接関係に注意する(Fig.836)。上顎洞篩骨洞 (篩骨蜂巣)の広がりは、粘膜の付いた状態で確認した後、骨標本(当日供覧)を観察する(Fig.840,841)。

3)

口蓋粘膜を剥がし、硬口蓋後部の外側縁で大口蓋神経 をつかまえる(Fig.845)。口蓋粘膜 と口蓋腱膜を一緒に骨から剥がしながら見つけると早い。リューエルとノミで慎重に骨を削りながら大口蓋神経 下行口蓋動脈 を上方に追及する(Fig.833-835)。

  Maxillary sinus 上顎洞 790
Posterior superior alveolar nerves 後上歯槽神経 836
Uncinate process of ethmoid bone 鈎状突起 828
Frontal sinus 前頭洞 841
Sphenoidal sinus 蝶形骨洞 840
Ant./Post. ethmoidal sinus (air cells) 前/後篩骨洞(篩骨蜂巣) 837
Great palatine nerve 大口蓋神経 845
Descending palatine artery 下行口蓋動脈 834

4)

同時に、眼窩下壁を削って眼窩下神経 の全長を剖出する(Fig.866)。頭蓋底 正円孔 を通る上顎神経 を確認する(Fig.777,836)。眼窩下神経と大口蓋神経 が直角に合流して上顎神経 に続く(Fig.835)。そのすぐ下方に翼口蓋神経節がある。後方から翼口蓋神経節 に至る翼突管神経 は、蝶形骨洞 外側壁を削って剖出する(Fig.836)。{翼口蓋神経節が位置する翼口蓋窩 には、側頭下窩から蝶口蓋動脈 がはいる(Fig.751,834)。蝶口蓋動脈はすでに側頭下窩で顎動脈枝として同定している(p.gif)。

5)

口蓋の後方では、耳管隆起 耳管咽頭口 を確認する(Fig.826)。中耳の剖出が終わっていれば、耳管咽頭口から慎重にゾンデを入れてみる。口蓋腱膜(かなり深く骨に接する)をたどって翼突鈎 の滑車にかかる口蓋帆張筋 の腱を剖出する(Fig.859)。挙筋隆起の粘膜をはがすと口蓋帆挙筋 が見つかる(Fig.739,888)。口蓋帆張筋と口蓋帆挙筋は嚥下において重要な筋だが、位置関係が分かりにくい。

Infraorbital nerve 眼窩下神経 866
Foramen rotundum 正円孔 780
Maxillary nerve 上顎神経 836
Pterygopalatine ganglion 翼口蓋神経節 835
Nerve of pterygoid canal 翼突管神経 836
Sphenopalatine artery 蝶口蓋動脈 834
*Torus tubarius *耳管隆起 826
Auditory tube 耳管 921
Pharyngeal opening of the - 耳管咽頭口 826
Pterygoid hamulus 翼突鈎 741
*Tensor veli palatini m. *口蓋帆張筋 739
*Levator veli palatini m. *口蓋帆挙筋 739

6)

残り一側の眼窩の剖出をこの機会に行い、眼窩に出入りする神経(II-VI)を確認しよう。


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