札幌医科大学医学部

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2004年9月3日


短くまとめる、続報

濱田洋文

 

昨日、当部のホームページを調べる際に、立ち止まって、昨年の秋に書いた「短くまとめる」を読み返してみました。なかなか面白く読めます。試しにGoogleで「短くまとめる」で検索してみたら、私のページがトップに出てきたので、感動してしまいました。そこで、先日ホームページに載せた「高機能素材ウェアの飛躍的発展」を「短くまとめる」とどうなるか、そのテクニック(?)をご紹介したいと思います。ちょうど、800字にまとめてみました。短くなってつまらなくなった、という感想と、すっきりして読み通せる内容になった、という感想と、両方の読者がいらっしゃると思います。さて、あなたの感想はどちら?

 

 

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高機能素材ウェアの飛躍的発展

800字バージョン)

 

雪解けを待って、早速トレーニングだ。朝早く起きて、円山に登りに行く。山頂は海抜225メートル。北海道神宮裏のお稲荷さんのある登り口まで10分。登り口から山頂までが20分。1時間で行って帰って来る。30年前に比べて大きく変わったのは、ウェアの著しい進歩だ。最近の高性能アンダーウェアの素材はほとんどが化学繊維だ。今年の春は、クールマックス素材のシャツを購入。汗を良く吸って、乾きが速い。涼しく、気持ちがよい。綿は、肌触りの心地よいのだが、一度吸った水分を放出するのが苦手、乾くのが極めて遅い。汗をかいたらすぐに着替えないと体が冷えてしまう。しかし、今は、クールマックスなど高機能素材ウェアに助けられて、めったに風邪を引かない。

 クールマックス素材は、ポリエステルの繊維に4つの溝をつけたもの。この溝によって吸湿性が高まり、同時に表面積も広がり速乾性も生まれる。1986年に開発された。この頃の繊維業界では、繊維を作ることに行き詰まって、異業種への転換に活路を見いだそうとした企業も多かった。現状の繊維製品で十分に消費者を満足させている、そういう行き詰まり感が業界を覆っていた。しかし、そのような中で、クールマックスのデュポン社、ポーラーテックのモルデンミルズ社などは、ポリエステル繊維を研究開発して、世界中の人々に愛される高機能製品を世に問うた。

 私たちの生物・医学分野も、ポストゲノム時代と呼ばれ、どの領域を訪ねてみても、すでに十分に掘り返されて、どこにもフロンティアが見当たらない。しかし、本当にフロンティアが無くなったのか? たとえば進行して見つかった脳腫瘍、膵癌や肺癌、30年前と今とで全く変わりなく、治癒につながる有効な治療法はない。病に苦しむ患者がいるところには、本当の「必要」が間違いなくある。治療法の開発を目指す私たちは、目を逸らすことなく、研究を続けてゆきたい。

 

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2004年7月23日b  腫瘍の特異的標的化を目指した遺伝子治療法の開発

2004年7月23日c  Bone marrow stem cells (MSC) for clinical applications

2004年5月30日   アポートシス誘導タンパクのBaxを発現するプラスミドを併用すれば、DNAワクチンによる細胞性免疫反応の両方を高めることができる

2004年4月26日   マウスの骨髄幹細胞(MSC)の増殖速度・分化能・表面形質・などは、マウスの系統によって異なる

2004年2月18日    シンドビスウイルスによる転移性腫瘍の標的化治療

2003年12月18日b  SCID-X1遺伝子治療を受けた2人の患者でLMO2ローカス変異に伴うT細胞白血病が発症した

2003年12月18日     「短くまとめること」の勧め  

2003年11月18日  研究の概要 H.HAMADA 1981-2003

2003年6月11日  年金の話「年金を知れば国の仕組みが見えてくる」

2003年5月26日 組み換えアデノウイルスの改変と宿主との相互作用に関する研究:2年間のまとめ

2003年5月20日 
腫瘍の特異的標的化を目指した遺伝子治療法の開発 2001-2003の研究のまとめ


2003年5月20日a Bmi-1は成体のHSCの増殖に不可欠

2003年5月19日a 
PDGF-BBとFGF-2の併用で血管新生: angiogenic synergy and vascular stability


2003年5月19日b 札幌医科大学でのアンジオポエチン(Ang1)遺伝子治療進捗状況

2003年5月13日a 脊髄損傷の再生医療

2003年5月12日a Wntタンパクの精製と造血幹細胞の増殖

2003年5月12日b Ligand-receptor binding by TALL-1

2003年5月8日a 癌学会抄録2003

2003年5月8日b ホームページに関するお願い

2003年5月7日a GCP,GMPとGLP:臨床研究に関連した略語の解説

2003年5月2日a Insulin/IGFと再生・遺伝子治療    

2003年5月2日b アデノウイルスベクターの末端の配列

2003年5月2日c 当部のアデノウイルスベクターpAx3シリーズ

2003年5月2日d 骨髄由来の幹細胞の主な起源は細胞融合


2003年5月2日e  VEGFとAng1の併用が有効

2003年5月2日f 
E3プロモーターで外来遺伝子をドライブするオンコリティックウイルス
Oncolytic viruses pack a timely punch.  その1


2003年4月25日 消化器癌の遺伝子治療   
(Virotherapy: Replication-selective viral therapy for cancer)

2003年4月22日 幹細胞注入で多発性硬化症マウスモデルの麻痺が改善

2003年4月21日a ホームページ更新再開

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